【書評】大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル

こんにちは

悟です。

今回は、私が就職活動でお世話になった本を紹介します。

それがこちらの「大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル」です。

本書の概要

本書は、大学院修士課程や博士課程、ポストドクターなどに対して就活サービスを展開する株式会社アカリクが編集したものです。

同社が就活サービスを通して蓄積したノウハウが凝縮されており、就職活動を控えた大学院生にピッタリの内容となっています。

私は修士課程で就活を行ったので、「修士課程の理系」から見た本書の良さなどを解説していきたいと思います。

また、私の就職活動の振り返り記事もあるので、就活を控えている学生や就活生は参考にしてください。

【22卒】地方大学理系院生21卒が使ってきた就活サイト

大学院生の就活を完全網羅

院生以上の人であればわかると思いますが、大学院生とポストドクターでは年齢や能力、研究業績など全く異なります。

そのような広大な大学院生の就活対策が網羅されている唯一の書籍と言っても過言ではありません。

ちなみに、学部生、修士、博士課程に在籍する人が、同じ学年でどれくらい居るかご存じでしょうか。

本書を元にまとめると、まず文系が全体の65%理系が35%就職活動のマーケットの大半が文系であることがわかります。

更に、修士課程以上の人数は、わずか7万人程度しかおらず、全体の15%以下となっています。

平成28年度 文理・就学状況別就職希望者数(本書より加筆修正)

平成28年度 文理・就学状況別就職希望者数(本書より加筆修正)

書店に並ぶ就活対策本の多くが学部生向け(もっと言えば文系向け)である理由がよく分かると思います。

そんな中、本書は全体の15%にしか及ばない院生の就活に目を向けた貴重な書籍です。

準備から内定ブルー、文系から理系まで徹底解説

本書では、自己分析の仕方業界の絞り方といった基本的な内容もしっかり記載されています。

他の就活本でも掲載されている内容はもちろん多いのですが、大学院生にありがちなミスや注意点について書かれているので、これまで就活を意識してこなかった人であっても本書を読み込めば十分対策できるはずです。

また、技術面接学校推薦といった理系特有の就活スタイルに関する記載もあります。

特に学校推薦は大学や学部によって事情が異なりますし、ネット上にも情報が少ないため貴重です。

専門就職と専門外の違い

大学院生であれば誰しも悩むのが、研究やバックグラウンドを活かして就職する専門就職これまでやってこなかった分野へ就職する専門外就職です。

現実問題として、大学での研究は非常に狭い範囲です。

特に修士課程の時点では、そこまで業績を積めるわけでもないため、「自分の研究を100%活かして就職したい」というのはエゴに近いです。

そもそも現在の研究を継続したいのであれば、大学に残ればいいので、研究を倍プッシュするのは危ないと思います。

そういった理由から、本書では「研究テーマ」も大切ですが、「研究を通じて学んできたこと」を広く捉えて就職活動することを推奨しています。

本書で紹介されている事例でも、専門就職を目指しつつ、専門外ではあるものの自分の強みを活かせる企業を広い視点で探す人が多いです。

大学院生の就活も準備が必要

大学院生の中には、

  • 「学校推薦があるから」
  • 「県内の企業なら余裕」

といった謎の自信を持つ人がいますが、大学院生の就活にも準備が必要です。

本書では、就活を全く意識していなかった人でも1から準備ができるように懇切丁寧な解説が入っています。

意識することは学部生と同じ

院生とはいえ、意識することは学部生と変わりませんが、「自己分析をやりましょう。」「業界を絞りましょう」なんてことは誰でもわかっています。

本書では、新しい時代を切り開く大学院生、ポストドクターが就職活動を円滑に進める上で必要な情報が書かれています。

本書ならではの大学院生向けの情報
  • 企業が大学院生に期待すること
  • 大学院のよい面、悪い面
  • 何のために働くのかを意識する
  • 組織人のキャリア発達モデルを知る
  • マーケティングの考え方で就職活動の全体像を把握する
  • 大学院生が就職活動でしてしまいがちなミス
  • 大学院生が活躍する業界はどこか
  • 研究概要の書き方
  • 技術面接7つのポイント

研究と就活をどのように両立するか

大学院生にとって重要な問題は、研究との両立でしょう。

特に生物を扱う研究室や実験が中心の研究室では、長期間研究室を空けることが難しいこともよくあります。

学部生と違って、就活に対してまとまった時間が取れない院生だからこそ事前の準備が必要になります。

そこで大切になるのが、スケジュールの把握と就活サービスの厳選です。

私の場合は、学部生のころから就活をする人が多かったため、インターンの申し込み開始時期や志望業界の選考時期を把握することができました。

また、志望業界が狭かったため、受ける企業を増やす目的で逆求人サイトへも登録を進めました。

プロフィールを入力するだけで、あとは企業からのアプローチを待つことができる逆求人サイトは時間に制約のある大学院生にとって最適です。

理系職にこだわるのであれば、LabBase、広い業界職種を目指すのであれば、OfferBoxがおすすめです。

「大学院生=研究」は間違い

大学院生(特に理系)は、日々研究に追われており、自分の就活でアピールできることが研究しかないような気分になります。

しかし、それは大きな間違いです。

大学院生は学部生と比べて研究内容以外にもアピールできるポイントが沢山あります。

大学院生が持つコア能力

大学院生がアピールできる能力をアカリクでは、「大学院生が持つコア能力」と呼んでいます。

下の図は、アカリク公式のnoteより引用しました。

大学院生のコア能力(アカリク公式noteより引用)

大学院生のコア能力(アカリク公式noteより引用)

先にも述べたように、自分の研究テーマ、研究領域に絞って就職活動をするのは大変です。

  • そもそも研究テーマの継続が目的なら進学すればいい。
  • 企業の研究職といえど、個別テーマに絞れば人数は非常に少ない。
  • 研究職への応募のほぼ全ては大学院生以上(博士ポスドクも増える)

など、数少ない人財ですがそれ以上に受け皿がありません。

研究を進めていくためには、様々な能力が必要です。

そういった能力は、他のあらゆる仕事でも同じである。こういった観点で自分の研究を振り返ると他の業界でも活躍できるビジョンが浮かんでくるはずです。

大学院生同士の競争が当たり前のことも多い

受ける企業によっては、学生がほぼ全て大学院生ということも珍しくありません。

その場合は、大学院生であることは最低条件となり、それだけでは周りとの違いを生むことができません。

今から受けようとしている企業の募集要項や内定者の内訳などをよく読み、大学院生が当たり前となっている場合は、そのことを覚悟しなければなりません。

私の場合は、第1志望の企業がその傾向が強かったため、正直不安でした。

自分の所属する大学院のレベルがそこまで高くなかったので、他の業界で自分のコア能力が活かせ、自分のやりたいことと重なる企業を探し選考を受けました。

大学院生では、あまり他大学とのつながりもなく、レベル感などがわかりにくいことがあります。

自分では研究職など大学院卒以上が集まる職種が向いていると思っていても、企業から見たらそうでないことはよくあります。

その場合、受けている企業が全て似通っていると、全滅もありえます。

自分がどんな評価をされるかわからない以上は、リスクヘッジも踏まえて違うフィールドに挑戦することをおすすめします。

まとめ

簡単に本書を紹介しました。

大学院生向けの情報は、ネット上にもあまり無く、アドバイスをもらえる人も研究室の先輩くらいしかありません。

本書は長年、大学院生やポストドクターを相手に就活サービスを展開してきたアカリクのノウハウが凝縮されており、非常におすすめです。

私は修士課程で就活を行ったので、「修士課程の理系」から見た本書の解説になります