【書評】池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾 日本との関わりを考えよう

書評

こんにちは

悟です。(@rxf7oqjSU4v473O

今回は、「池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾」を読んだので紹介していきます。

本書は、「池上彰の世界の見方」シリーズとして様々な国と地域の歴史についてまとめられています。

内容は都内の高校生に行った講義を文字起こししたものなので、非常にわかりやすく仕上がっています。

私はこれまで歴史が大嫌いでしたが、この本を読んで、歴史の勉強欲が高まっています。

高校生相手に説明していることもあり、歴史イベントについて「つまりこういうことだよ」と言い換えてくれているため、とにかくわかりやすいです。

歴史をこれから勉強してみたいな。

中国に留学、ビジネスで交流があるから、歴史を知っておきたい。

という人におすすめです。

本書の目次

本書の内容を簡単にまとめました。購入の際に参考にしてみてください。

第1章 「分断の歴史」から見る中国、台湾、香港

中国には、「省」「市」「自治区」「特別行政区」、そして「台湾」の5つの地区に分けられます。

省と市は日本で言う政令指定都市や県ですが、それ以外の3つでは、各自で自治が認められており、特別行政区と台湾では法律や通過、パスポートの発行が可能になっています。

なぜこんなに複雑なのか?という歴史的背景が解説されています。

第2章 「共産党による独裁」から見る中国

高度な自治が認められている地域があると言いましたが、どの地域も共産党関係者が参画しており、徐々に法律が変わり支配の色が濃くなっています。

中国では、憲法の上に共産党があり、政治も経済も教育も全て共産党の指揮の下動いています。

第3章 「中進国の罠」から見る中国

共産党による強力な牽引により経済発展が続く中国ですが、現在は急ブレーキが掛かっています。

これまでは、豊富な労働力と安い人件費を理由に多くの工場を誘致してきました。

しかし、経済が発展し農家の労働力に限界が出てきたことから、企業はベトナムやインドネシアなどに移って行っています。

また、毛沢東の後進国時代から現在の中進国へと発展してきた歴史についても触れられており、衝撃的な内容も出てきます。

第4章 「破壊された文化」から見る中国

毛沢東といえば建国の父のような印象がありますが、実は「文化大革命」や「大躍進政策」「百花斉放」など、お世辞にも成功とは言えない政策を多く実行しています。

寺院を破壊したり、警察の権力に介入したりとわずか50年前の出来事とは思えないことがたくさん出てきます。

第5章 「ひまわり&雨傘」から見る中国、台湾、香港

中国と台湾は長らく対立してきましたが、経済連携を強めようと台湾側からの呼びかけによって「サービス貿易協定」の締結に向けた審議が行われました。

この協定によって、経済的に中国に飲み込まれると反対した学生によるデモが「ひまわり運動」です。

後に、香港では選挙制度の変更に反対した人々が、香港の「ひまわり運動」の成功から、「自分たちも!」と思いデモを決行したのが「雨傘運動」です。

第6章 「外交戦略」から見る中国、台湾

南沙諸島の珊瑚礁埋め立てを強引に行っている中国ですが、これは台湾を吸収して大中華を完成させる目的から分析しています。

それは、経済的に対立するアメリカが台湾との関係に干渉してこないようを牽制する目的で埋め立てを行っており、世界が非常に不安定な状況であることを示しています。

民主主義、独裁の功罪

本書を読むと納得なのですが、私たちが当たり前だと思っている民主主義ですが、世界的には当たり前でないことがわかります。

中国では、ネットの監視が行われており、共産党への批判的な書き込みや天安門事件といった政府が不利になるような情報を全てシャットアウトしています。

台湾でも香港でも、共産党が次第に権力を広げており、いつ中国に吸収されるか予断を許さない状況が続いています。

私たちの人権が保障されている日本は素晴らしいと思う反面、意思決定の遅さは大きな問題だと思います。

日本は幸い、既に成長期はおわり緩やかな下り坂にさしかかっているため、多少意思決定が遅くても、大きな問題になることは多くありません。

一方で、中国やインドネシアといったこれから伸びるという国においては民主主義はそこまでいい方法とは思えません。

終戦からそこまで時間が経っていないことや、貧富の差が激しいことから、独裁的な政治で国を引っ張り上げることも悪いことではないような気もします。

人権も大切ではありますが、開発独裁という言葉もあるように経済的に豊かになることも並んで重要だと言えます。

激動の時代を生きた習近平

目次を見るだけでわかるように、中国はここ数十年で大きく変化してきました。

まさに文化も経済も破壊されどん底から一気に這い上がり、HUAWEIやアリババといった大企業も登場し、先進国に肩を並べようとしているところです。

そんな中国を率いるのが、習近平です。

私のような若い世代の人にはイメージしにくいですが、そんなどん底の中国で彼は成長し中国のトップに上り詰めたのです。

激動の時代を生きてきた習近平は、おそらく本書に書かれていることを実際に自分の目で見てきたはずです。

今だけを見ていては、非現実的で国際協調に欠けるように感じてしまうこともありますが、そういった背景を元に考えると彼の強力なリーダーシップや打ち上げる政策への理解度も増してきます。

私たちも立派な歴史の目撃者

これまで歴史に疎かった私ですが、本書を読んでみて、たった数十年前の世界の出来事とは思えませんでした。

歴史を知れば、ニュースがわかるようになります。これまでは世界の政治かが何かコメントを残してもイマイチ理解できていなかったのですが、歴史を知ればそれも理解できます。

これまでは、「今」を中心に「未来」のことを考えてきましたが、「過去」から「今」も少しずつ変化した結果で「未来」も今からの連続的な変化の結果です。

私たちも立派な歴史の目撃者なのです。