こんにちは
悟です。(@rxf7oqjSU4v473O)
今回は東京ヤクルトスワローズの二軍監督を務める高津臣吾さんの書いた、「二軍監督の仕事 育てためなら負けてもいい」の書評を書いていきます。
目次
簡単な感想
著者の高津臣吾さんは、ヤクルトでは主に中継ぎ・クローザーとして活躍しメジャーも経験した優秀な選手です。
現在はヤクルトスワローズの二軍監督をされている方が、「二軍監督」というものを語っています。
二軍の試合や状況などは、なかなか見聞きしたりするケースは少ないですが、一軍よりも複雑な環境が取り巻いていて、二軍監督のやりがいのようなものもヒシヒシつ伝わってきます。
目次と概要
序章 二軍監督の仕事とは、何か?
第1章 育てるー育成には、プランが大切だと改めて知った
1軍で活躍する姿を思い描きながら、2軍のオーダーは組まれます。
将来4番を打ってほしい選手には結果が伴ってなくても4番を打たせ、1軍では下位打線を打つであろう選手は好調であっても8番を打つことになっています。
第2章 モチベーションを高めるために必要なこと
高津監督の個人的な見解として、1軍と2軍のユニフォームが違うことのメリットは大きいと感じているようです。
第3章 育てる組織
近年は巨人やソフトバンクが3軍制を取っており、ファームで練習する人数が他球団に比べて非常に多くなっています。
これについてはサバイバル的な競争は大きいですが、選手対コーチの個人的な指導は少なくなりがちです。
第4章 コミュニケーションが円滑な組織を生む
伸び悩む若手、故障明けのベテラン、環境に戸惑う外国人選手など、様々な事情を抱えた人を相手にするのが二軍監督です。
第5章 監督になって知る野球の奥深さ
二軍では、まだ一軍で使われていないサインを試す場でもあり、情報戦が行われています。
第6章 僕が学んだ監督たち
日本では、常に団体行動が基本ですが、アメリカでは試合とそれ以外で明確に区別されていて、「試合中の3時間集中して仕事をする」ことが大切です。
第7章 二軍珍事件簿
二軍では選手だけでなく、審判も育てています。
高津監督が抗議をして、半泣きになってしまった審判もいるとか…。
将来を想定した起用法
私が最も興味深く読んだのが二軍での起用法についてです。
二軍は「帝王学を学ぶ場所」とのことで、期待の若手や新人に対しては、今力不足だとしても、一軍で求められるであろう動きを仕込まれます。
ヤクルトの高卒ルーキーの村上宗孝選手や新田選手、寺島投手など期待される選手は打てなくても抑えられなくても試合に出し続けるそうです。
おそらくこれはヤクルトだけでなく私の好きなカープも含め多くの球団でそうだと思います。
二軍で徹底的に勝利を求めてしまうと、高卒1年目の選手はほとんど出場機会ももらえずいつまでたっても成長できないかもしれません。
そのため、多少力不足でも試合に出し続けることで成長してもらう目的があります。
二軍の順位は当てにならない
ここからは私の考えになります。
そうなると、二軍の順位というものは次の要因に左右されることが考えられます。
- 出場がある程度保証された期待の新人や若手の活躍
- 二軍では活躍するが一軍で通用せず、二軍での生活が長くなっている選手
- 枠の関係で一軍にいられない外国人選手
二軍の順位が高いからといって育成が順調だ、チームの未来は明るいとは言えない状況も考えられますよね。
チームの方針で二軍で育成することが決まっている若手選手は、成績が良くても悪くても二軍で出続けるわけですから、順位に大きな影響を与えるでしょう。
しかし、二軍の帝王と化している中堅選手が多くいる場合は逆に完全な状態とは言えないことになります。
なので二軍でタイトルを獲得したとしても、方針で二軍にいた結果、タイトルが取れるほど活躍したからなのか。
一軍に何度か上げたが通用せず二軍暮らしが長くなってしまったのか。
この2つの差は果てしなく大きいです。
プロ野球ファンは二軍のチーム成績で判断するのではなく、個人の成績に目を凝らした方がいいかもしれません。
まとめ
本書の内容を少しですが、紹介しました。
本書を読めば、二軍の監督も一軍の監督に負けず劣らず奥深く魅力的な仕事だとわかっていただけると思います。
ヤクルトの次の一軍監督は高津監督になるのかもしれないです。
そうなると手強い相手になりそうです。