【書評】隷属なき道-AIとの競争に勝つBIと一日三時間労働

隷属なき道
隷属なき道
書評

こんにちは

悟です。 (@rxf7oqjSU4v473O

今回は「隷属なき道」について紹介します。

 本書は、現代社会が抱える様々な問題についてベーシックインカムがどのような効果をもたらすのかまで詳しく書かれています。

私は線を引きながら読んでいるのですが、大切なところがありすぎて

本が真っ赤になってしまいました(笑)

また他にもベーシックインカムの良書はたくさんあるます。

私の別の書評はこちらから見ることができます。

本書の目次

本書の目次について数行でまとめというか、印象的だった部分を書いていきます。本選びの参考にして頂けたらと思います。

 第一章 過去最大の繁栄の中、最大の不幸に苦しむのはなぜか?

所得は1850年から10倍、平均寿命は1990年の64歳から70歳、栄養失調で悩む人よりも肥満の方が多い。

このように現代はあらゆる面で豊になりましたが、うつ病は現代の10代の若者にとって最大の健康問題となっています。

 第二章 福祉はいらない、直接お金を与えればいい

貧乏人が貧乏人である第一の理由は、十分なお金を持っていないところにある                       Charles Kenney

私はお金がない人について、「自業自得」だと思っていました。努力が足りない、常識がない、自制心がないなど。

理由を書くと長くなるので書きませんが、お金をポンっと渡すだけで、貯金をしたり、建設的な行動ができるようになります。

 第三章 貧困は個人のIQを十三ポイントも低下させる

「欠乏の心理」というものがあります。

テスト前、大事なプレゼンの前はその不安に集中してしまいますよね。お金のない人は常にそういった状況です。

そういった人が、生活保護の申請やお得な節税政策の申請をする余裕はありませんよね。

 第四章 ニクソンの大いなる撤退

アメリカのニクソン大統領は貧困家庭に無条件に給付する法律を成立させようとしていました。実際は実現しなかったのですが、「貧困のない生活は働いて手に入れるべき特権である」というイメージを定着させてしまいました。

 第五章 GDPの大いなる許術

GDPが計算が苦手だということは有名ですが、「ボーモルのコスト病」というものがあります。

これは経済成長する過程で、教育や医療など労働集約型の産業では、自動化が行いにくく、費用が高くつくという現象が起きます。

 第六章 ケインズが予測した週十五時間労働の時代

1930年、ケインズは2030年の労働時間は週15時間程度になり、余暇の時間が増えすぎると予想していました。

しかし、現状はどうでしょうか…

 第七章 優秀な人間が、銀行員ではなく、研究者を選べば

銀行を悪く言うわけではないですが、銀行は決して新しい富を生み出しているわけではありません。銀行の仕事は富の移動です。

現代は多くの優秀な人材が富を移動させる仕事についてしまっています。

本当にそれは必要な仕事なのでしょうか。

 第八章 AIとの競争には勝てない

テクノロジーの発展により仕事が減り、平均収入は低下しています。テクノロジーの恩恵を受け続けるためには、「再分配」が必要です。

 第九章 国境を開くことで富は増大する

世界で莫大なものが国境をまたいで移動していますげ、人間だけが自由に動くことができません。

ODAなど途上国支援が盛んにおこなわれていますが、国境を開放することが最も良い開発支援になるようです。

第十章 真実を見抜く一人の声が、集団の幻想を覚ます

「昏睡」とはギリシャ語で「夢も見ない深い眠り」という意味です。

未来に夢や希望を描けない現代を象徴する言葉のように感じます。

 終章 「負け犬の社会主義者」が忘れていること 

私たちは人に話して聞かせるだけの物語を語れるでしょうか。

常に前に進む気持ちを持ち、行動に移すことができなければ社会を変えることはできません。

社会というよりも自分自身にとって大切なことの思い出すことができたように思います。

愚かなのは当然

以下では、上で紹介した中で特に掘り下げて説明したいことがらについて説明します。

章ごとの内容は、なんのこっちゃわからない部分も多かったかと思いますが、それは本書を読んでからのお楽しみといことにしてください。

貧困はIQを13ポイントも下げる。

 13ポイントの低下は、1晩眠れないことや、アルコール依存症の影響に匹敵します。

 貧困層の人は今日を生きるためのお金がありません。つまり、今日をどうやって生きるかに全神経が集中しています。この精神状態を行動経済学や心理学では「欠乏の心理」と言います。

 欠乏の心理に陥ると、自分の気持ちを差し迫った不安に集中させると言います。長期的な視野は失われ、他の重要なことには一切気持ちが向かないのです。

今日を生きるお金がないのに、貯金をするか?という意味です。このような状態で、金銭教育や指導をしたところで、実行できるわけがありません。既に、過剰な負担がかかっている人が行列に並んで、生活保護の書類にサインすることは難しいのです。

 この欠乏の心理は相対的貧困によって引き起こされます。中世と比べていくら良い生活を送っていようが満たされないのです。本書ではコンピュータに例えており、最新のものでも、膨大なプログラムを処理させようとすると、動きが重くなりフリーズしてしまう現象と似ています。

 貧しい人は愚かで怠惰だから貧しくなったのではなく、愚かな判断に追い込まれる環境で暮らしているからなのです。

GDPでは測れないもの

 店でのおかわり自由、これあるとすごい嬉しいですよね。

この店はなんてサービスがいいんだ!また来たいな!と思いませんか?

 でもこれはGDPには加算されません。

他にも、お母さんの家事やきれいな空気などもGDPに加算されません。

 しかしニュース等ではGDPが上がった下がったなど、国の成長や政策の効果は全てGDPで語られてしまいます。GDPを増やそうと思うと、おかわりや家事、きれいな空気を消費することにお金を取る必要があるのです。少し例えが悪いですが、東日本大震災が起きた年のGDPは2%上昇したらしいです。

 これで本当に私たちは嬉しいのでしょうか?

 GDPは定量的、つまり数字で物事を表しているものです。

近年は教育政策の成果も数字(成績)で表していますよね。教育や医療を始めとするサービス業では機械化が難しいので、効率を上げたりすることが工業に比べて難しいのです。相対的に工業に比べるとコストが掛かってしまいます。

 サービス業以外の分野で効率が劇的に上がった今、その余ったエネルギーをそういった分野に回すことが出来るのではないのでしょうか。

優秀な人ほど

  空飛ぶ車が欲しかったのに、得たのは(ツイッターの)140文字だ」

ここ50年ほどで、私たちの生活は激変しました。(私はそんなに生きていませんが)

テレビや冷蔵庫、ロケットなど、当時の人には革新的な発明が次々と出てきましたが、ここ数十年はテレビやスマホが改良されただけでした。

 ドラえもんの誕生日は今では2112年となっていますが、連載当初は2012年でした(私の記憶でも2012年だった気がします。)

ドラえもんの作者も空飛ぶ車が欲しかったのに140文字を得た、というところでしょうか。現在は確信しないことが利益を上げるようになっていると本書は指摘しています。世代で最も優秀な人たちは、金融や弁護士、マーケティングなどの富の移動を行う分野に進んでいます。こういった分野では何かを生産しなくても富が手に入ります。

銀行が1ドルを儲けるごとに経済の連鎖のどこかで60セントが失われている計算になる。

しかし、研究者が1ドル儲けると、5ドル以上の額が、経済に還元される。

 本書ではこのように結論付けられています。日本でも、研究者を目指す人々が不安定な雇用と収入にさらされているニュースをよく目にします。

未来を語ろう

 今では女性の活躍、奴隷の廃止などは常識となり、それに反対するような言動は無くなりました。しかし、歴史的にはごく最近まで真逆の事が行われてきたのです。

大きな路線変更だったわけです。全く現実味のない、衝撃的なアイデアが世界を変えてきました。ここまで読んでくださった方々は1つでも社会が間違っていると感じる部分があったと思います。もしそうであれば、それを声に出して間違っていることを示し、希望や未来について語ることが必要です。

 自分は進歩的だと自負する人は皆、エネルギーだけでなくアイデアの源となるべきだ。そして、憤りを発するだけでなく、希望の光を放ち、倫理と強い理想を併せ持たなければならない。

まとめ

 本書はベーシックインカムを学ぶことができるとともに、ベーシックインカムがなぜ、今必要とされているのか理解できる内容になっていると思います。

読みやすい本といえば、新書やビジネス本にもありますが、やはり正確な知識を取り入れようと思うと、やや劣ると思います。キャッチーだったり、特徴的なタイトルは頭に残りやすいのですが、筆者の考えが前面に出過ぎていると思うところもあります。

 本書を読めば、現在世界で起きている現象を打開するために、ベーシックインカムが有効な手段になりうると納得できると思います。