【書評】図解でわかる会社の数字

書評

こんにちは

悟です。(@rxf7oqjSU4v473O

今回は、ちくま新書の「図解でわかる会社の数字」を読んだので、書評を書いていきます。

会社の数字とは、いわゆるIR情報で公開されるているような、売上や損失などのデータです。

  • 大学生にとっては、就職活動でその企業の財務状況を把握する。
  • 社会人にとっては、投資を行う際の分析や転職活動などで企業の財務状況を把握する。

など様々な場面で活躍します。

本書の概要

人生100年時代を豊かに過ごすためには何が必要でしょうか。

寝たきり期間を短くするために、健康寿命を延ばして…

という議論が多いとは思いますが、本書では体の健康に加えて、「お金の健康」も同時に考えていこうというポジションです。

そのお金の健康を高める上で必要なのが、「株式投資」

株式投資を行うためには、「会社の数字」や「景気」を判断する必要があります。

本書では、日頃なじみのない財務情報や経済指標に関する知識を図解で解説されています。

作者情報

著者の花岡幸子氏は、大和証券グループ本社の取締役です。

東京大学経済学部経営学科を卒業後、大和証券に入社。

大和証券企業調査部、大和証券投資情報部、商品企画部を経て現在の職についています。

著書にも「経済用語図鑑」「13歳からの経済のしくみ・ことば図鑑」など証券会社でのバックグラウンドを存分に活かした内容が多くなっています。

本書においても株式投資を行うことが前提になっており、内容もです。

会社の実力を分析しよう

個人投資家の株式投資の基本は、「長期保有」です。

長期保有を行うためには、それに耐えうる企業のビジネスや財務データなどを含めた実力を分析する必要があります。

損益計算書・貸借対照表・CF計算書

損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書の3種類は財務3表と呼ばれており、企業の実力を測るのに非常に重要です。

本書では、その3つの意味や見方を図で解説されています。

損益計算書(Profit and Loss Statement)

損益計算書は企業の通信簿と言われており、財務データの中で最も重要であると言われています。

株価は企業業績と大きく関係してくるため、まずは損益計算書を分析することになります。

損益計算書でわかること
  • 企業の売上
  • 売上構成(セグメントや地域)
  • コスト構造(固定費・変動費)

損益計算書でわかることは、企業単体で調べるのではなく、競合他社との比較を行う必要があります。

売上げ構成を他社と比較できれば、業界の中で海外に強みがあるのか、強みを持つ分野はどれかを定量的に判断できます。

就活であれば、「なぜこの会社か?」といった問いに答えられるため上場企業であれば必ずチェックしておくべきポイントです。

一方、コスト構造は業界によって全く異なります

ネット企業は、在庫を持たなくて良いことから固定費が全体的に少ない傾向にありますが、生産設備を持つ製造業や電力会社などは固定費が高くつくのは想像できますよね。

見ている会社が所属する業界がどんな利益構造なのか、どんなビジネスモデルなのかを把握して正確に分析できるようにしたいところです。

貸借対照表(Balance Sheet)

損益計算書が、「企業の通信簿」とすると、貸借対照表は「企業の体力をチェックするものです。

いくら売上が大きくても、借金まみれの会社や貯蓄が少ない会社に投資したいとは思えません。

それを分析するのが貸借対照表(Balance Sheet)です。

貸借対照表でわかること
  • 借方・貸方のバランス
  • 有利子負債
  • 流動資産(負債)・固定資産(負債)

貸借対照表の項目を用いて求めらる指標に有利子負債があります。

有利子負債は、借入金と社債の合計で求められます。

企業が大きな設備投資や企業買収などを行う際に、利益の蓄積だけで足りない場合に、有利子負債が増加することがあります。

よって、有利子負債が増えたからといって、危険なわけではなく、負債が増えた意図を把握することが大切です。

また、流動資産(負債)・固定資産(負債)については、現金が少ない(固定資産の比率が高い)のに、流動負債の比率が高い会社は、借金に対して返せる現金が少ないことになるので要注意です。

キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)

キャッシュフロー計算書(Cash Flow Statement)は現金の流れを把握するためのものです。

利益が出ていれば、現金が潤沢にあると言われれば、そうではありません。

食品会社であれば、原材料を購入する際に、事前に購入価格を取り決めたりし、先払いをすることもあります。

また加工後は商品が実際に売れてから、さらにその売上げの数ヶ月後に現金が入ってくることもよくあります。

よって、お金の出るタイミングと入ってくるタイミングは往々にして異なるので、現金がしっかり入っているかをCF計算書でチェックすることも必要です。

株価の決まり方 EPS・PER・PBR

会社の実力がわかった次に見るポイントが株価の決まり方です。

就活にも人気企業があるように、株式投資でも人気企業があります。

人気企業の株価は総じて割高となっており、相場より高いことが多いです。

そこで企業の株価がどのように評価されているかをチェックできるのが、EPS・PER・PBRです。

EPS(Earning Per Share)

EPSは1株当たり当期純利益と呼ばれ、当期純利益を発行済株式数で割って求めます。

株価と業績を比較する網的で使用され、EPSが大きいほど、1株当たりの利益が大きことになります。

EPSは当期純利益で求めているため、リストラや設備売却などの特別損失の影響を大きく受けるため、年度ごとに大きく変化する場合があります。

PER(Price Earning Ratio)

PERは株価収益率と呼ばれ、1株あたり当期純利益(EPS)の何倍買われているかを示します。

PERが高いほど、株価は割高であると言われており、明確な基準はありませんが、20倍程度を越えてくると割高、それ以下なら割安と考えられています。

  • オリエンタルランド:62.6倍
  • 良品計画:19.1倍
  • マルハニチロ:10.3倍
  • 大林組:8.1倍

バフェット・コードより

このように、業界や知名度などによって大きく変わります。

このPERをどう判断するかは、以下のポイントを参考にしてください。

PERの判断基準
  1. 成長産業に属するか
  2. 同業他社のPERと比べてどうか
  3. 業界内での勝ち組か負け組か
  4. 有利子負債が多いなど企業リスクを抱えていないか
  5. 過去のPERの水準と比べてどうか

PBR(Price Book-value Ratio)

PBRは株価を帳簿価格による1株当たりの純資産で割って求めることから、株価純資産倍率と呼ばれます。

PERと近い指標ですが、PERは利益を基準に価値を求めるため、赤字企業の株価を比較することができません。

株式投資のポイントは?

個人投資家が利益を得るためには、様々なリスクに備えることが重要になります。

そのリスクには、景気変動、貿易摩擦や日中関係、イギリスのEU離脱など様々な事柄があり、それを見抜くための知識がこれまで本書で紹介してきた内容です。

本書では、最終章に個人投資家がお金の健康を獲得するために投資のヒントも掲載されています。

成長産業、人口増加、SDGsへの投資は厳しい

本書で提唱されているのは、

  • 成長産業の周辺
  • 人口増加が見込めている国
  • SDGsに関係することをビジネスとして行う企業

に投資を行うことです。

しかし、私はこれらの国や企業を時々で探し出すことは難しいと思います。

個人レベルで判断できる分野は、そこまでクオリティが高くなく多くの人が同じ結論になります。

それに、これらの特徴に当てはまる企業だけが値上がりするわけではありません。

グローバル企業がこれらの恩恵を受けて成長する

よって、私はインデックス投資をおすすめします。

インデックス投資は、基本中の基本で、多くの書籍やブログで書かれているので、ここでは省略します。

いまやダウ平均などに含まれる企業は、全て世界的な企業です。

アメリカ国内だけでなく、世界中に工場を持ち、生産をし、販売をしています。

私たちはiPhoneでGoogle検索を行い、Amazonで商品を購入しています。

日本でもトヨタやソフトバンク、任天堂も世界的にシェアを持つ企業です。

これらの企業を含む、アメリカや日本、全世界に投資をすれば、成長していく国や地域の恩恵を受けることができます。

結局、私の中ではインデックス投資がお金の健康に最適な投資だという結論に至りました。

まとめ

以上、簡単にですが本書の内容についてまとめました。

本書で学べる会社の知識は、投資だけでなく私のような就活生や毎日のニュースを理解度を高めたい人にも活用出来るので、是非手に取ってみて下さい。