バルチック海運指数とは?海運産業の大枠とランキング

経済学

こんにちは

悟です。(@rxf7oqjSU4v473O

今回は、私たちにあまり馴染みのない海運市場について書いていきます。

バルチック海運指数は世界的な景気動向を表す指標として使われていますが、その意味をしっかり理解している人は少ないのではないでしょうか。

この記事ではバルチック海運指数を理解するために必要な海運産業の知識を詰め込みました。

貨物輸送の種類

まずは簡単に貨物輸送の種類について見ていきましょう。

主な貨物輸送の種類

  • コンテナ船
  • タンカー
  • バラ積み船
  • 専用船(自動車、木材、石炭など)

もっとも馴染みのあるのはコンテナ船や、タンカーでしょうか。

コンテナは世界で規格が統一されており、港湾における荷物の積み下ろし時間を大幅に短縮、効率化をもたらしました

「コンテナ物語」という本すら出版されているので、物流業界に大きなインパクトをもたらしたことがわかりますね。

その一方で、荷物をそのまま運ぶバラ積み船も一部残っています。

不定期船市場と定期舶市場

 貨物輸送はその都度契約を行う不定期船市場と長期契約を結ぶ定期船市場に分かれます。

特に不定期船市場はにサービスの差別化が難しいため、企業間の激しい競争が行われています。

コンテナ船が活躍しているのは主に定期船市場で、決まった航路を定期的に結びます。

決まった航路には北米極東北米ヨーロッパヨーロッパ極東の三種類がありますが、基本的に長期契約のため、大企業でないと引き受けることが難しくなっています。

参入企業が少なく寡占市場であると言えます。

一方で不定期船市場では次で紹介する、バルチック海運取引所に代表される、海運取引所で取引が行われています。

株価指数でもあるバルチック海運取引所

まずはバルチック海運指数について見てみます。

 バルチック海運指数(バルチックかいうんしすう、Baltic Dry Index)、通称BDIは、ロンドンのバルチック海運取引所が発表する外船不定期船の運賃指数。 Wikipediaより引用

ここで注意したいのは「不定期船」の運賃をもとに算出しているという事です。

不定期船は世界の景気や荷物の量によって運行状況、運賃が上下します。

景気が良く、輸出入が盛んになれば運賃も上昇するため、バルチック海運指数も上昇します。

世界の海運会社、特に不定期船を主力とする株価への影響が大きいのも納得です。

世界の海運企業ランキング

ここで、世界の海運企業のシェアをランキングで見てみましょう。

順位 企業名 Teu 国籍 シェア(%)
1 AMP-Maersk 4,087,333 デンマーク 17.9
2 Mediterranean Shg Co 3,305,720 スイス 14.5
3 COSCO Group 2,790,100 中国 12.2
4 CMA CGM Groupe 2,634,219 フランス 11.5
5 Hapag-Lioyd 1,659,619 ドイツ 7.3
6 ONE(Ocean Network Express) 1,525,952 日本 6.7
7 Evergreen Line 1,216,674 台湾 5.3
8 Yang Ming Marine Transport Corp. 640,622 台湾 2.8
9 Hyundai M.M. 424,742 韓国 1.9
10 PIL(Pacific Int. Line 420,039 シンガポール 1.8
11 Zim 333,107 イスラエル 1.5
12 Wan Hai Lines 240,418 台湾 1.1
13 IRISL Group 154,415 イラン 0.7
14 KMTC 153,576 韓国 0.7
15 Antong Holdings(QASC) 148,264 中国 0.6

引用:https://alphaliner.axsmarine.com/PublicTop100/

こちらのサイトはAlpalinerという海運専門誌を発行しています。

毎月、最新のシェアを公表しており、気になる方はチェックしてみてください。

不景気により一部企業の巨大化が進む

バルチック海運指数は1985年当時の運賃を1000としています。

なので、1000より大きければ運賃が上がっていて1000より低ければ1985年よりも運賃が安いということになります。

一時は10000を超えるまで伸びたこともありましたが、リーマンショック以降は急激に運賃が低下しています。

現在の指数は、20192月で612ですから、30年以上の時を経て運賃が下がっているということがわかります。

バルチック海運指数が示すように、海運市場は非常に浮き沈みが激しく、なかなか読み切ることは難しいでしょう。

更に船という大きな資産は作るのにも持つのにも捨てるのにもコストが非常に掛かります。

製造期間も長いため多くの企業は、今後の需要を見込んで発注をかけますが、世界経済の減速、貿易戦争の影響で利益を大きく減らしています。

ちなみに日経平均は1960年を1000として算出していますが、現在の日経平均は20000前後ですから、如何に海運産業が厳しいか想像できます。

日本では日本郵船、商船三井、川崎汽船が日本三大海運企業と言われていましたが、この3社は平成28年にコンテナ船業を統合した新会社を設立しており、それがONE(オーシャン・ネットワーク・エクスプレス)です。

残念ですが、3社別々の時は3社すべて赤字、統合したONEも赤字予想が出ています。

海運業界では激しい競争のため、M&Aが盛んにおこなわれていて、日本においても海運事業を統合することで世界と渡り合おうという意図が見られます。

業界のシェアを見ても、トップのAMP-MaerskやスイスのMediterranean Shg Co、中国の企業がシェアを伸ばし続けており、今後さらに寡占化が進むとみられています。