こんにちは
悟です。(@rxf7oqjSU4v473O)
今回は「ベーシックインカム」についてまとめます。私は以前から書評を書いてまして、これまで読んだ本を踏まえて、ベーシックインカムについて基本的なところを説明したいと思います。
ベーシックインカムについて勉強できる本はこちらにまとめています。
全て私が実際に読んだ本なので、読み次第随時更新中です。
ベーシックインカムとは?

ベーシックインカムとは何か。一言で言えば、それは、個人に対して、無条件に、定期的に(たとえば毎月など)、少額の現金を配る制度のことだ。
最もシンプルに言い表したのがこの言葉だと思います。
個人に対する給付というのは、その人がお金持ちでも、貧しくても、家族がいてもいなくても、関係なくその人本人に対してお金が渡されるということです。
無条件の給付というのは、所得の多い人にも給付されるし、そのお金を好きに使うことが出来るという意味です。
受給の為に所得を調査することも、お金の使い道を監視されることもありません。
定期的な給付というのは、自分の近い将来の収入が保障されているという意味です。
現在の福祉制度では、自分の収入によって給付額が減少したり、場合によっては給付が打ち切りになる場合もありますが、ベーシックインカムではそうした事は起きません。
なぜベーシックインカム?

必要だと言える理由の一つ目は「不平等の拡大」です。
現代はかつてないほど科学は進歩しており、経済も世界規模で見れば成長を続けています。
しかし、多くの先進国では平均的な人の所得は伸びておらず、所得格差が拡大し続けています。
これは、少なくとも、現在行われている、税制や生活保護などの所得分配システムが機能していないことを示しています。
AIや技術の発展に伴うテクノロジー失業により、この不平等は更に拡大すると予想されています。
どんなメリットがある?
ベーシックインカム導入によって最もわかりやすいのは貧困の根絶です。
しかし、実際に政策として行うことを考えるとそこまで高額な給付は出来ません。
ここでは少額の給付から始めても効果があることを説明します。
ベーシックインカムは個人の自由な選択を後押しします。
現代は自由に見えて様々なものに行動を制限されています。
自分がベーシックインカムを得られると考えると、安月給でも好きなことや意味のある仕事がしたいなと思います。
もし家族もいれば、家族と一緒にいる時間も大切にしたいなと思うので無理な残業もやらないと思います。
それ以外にも、ベーシックインカムは生活の為にやむおえず売春や麻薬取引に加担している人々や、自分が稼ぎ手出ない故にDVなどの被害にあっている人をそこから抜け出せるように後押しもできると思います。
このようにベーシックインカムを導入することで私たちがより自由な選択を出来るようになると考えられています。
実現に向けた課題は

ベーシックインカム反対派の意見として最も多いのが、財源の問題です。
現在日本で社会保障に充てられている財源は約30兆円です。
人口を1億人としてベーシックインカムとして、全国民に月5万円毎月配るとすると、60兆円必要になります。
そもそも5万円では生活できないので、充実した給付にしようと思うとますます財源は足りません。
ベーシックインカムの導入により不用となった社会保障などを削減、生活保護などで所得調査などに使っていたコストがなくなることが考えられますが、それでもおそらく足りませんよね。
ベーシックインカムに賛成する学者の多くは、逆進性の高い税を増税を提案しています。
例えば、配当所得や日本にはありませんが金融商品取引税などです。
金融商品取引税とは株や信託を売買する時に課税するものです。
資産家などは配当など不労所得による稼ぎが非常に多いのですが、配当所得では一律20%となっています。
私の個人的な意見としては、配当所得を通常の所得に合わせて計算し、配当所得にも累進性を持たせるようにしたらいいのではと思います。
これが実現すれば、税収も増加し、高額所得者の税負担が軽くなってしまう現状を改善することもできると思います。
このような増税案であれば、国民の大半の人はベーシックインカムによる収入増と増税による支出が等しくなるか、収入が増える方向になると思われます。
まとめ
ベーシックインカムについて理解していただけたでしょうか。
ここに書いた以外にも大切な考え方や伝えたいことが沢山あり、たかがブログの1記事では到底まとめきれませんでした。
それでも、この記事で少しでもベーシックインカムについて理解してもらえたら幸いです。
まだ世界を見渡してみても完全なベーシックインカムが行われている国や地域はありません。
しかし、多くの国や地域で実験が繰り返され、現金給付によってどのような効果があるのかが次第に明らかになってきています。
特にイランは今まで最もベーシックインカムに近い政策を実行した国です。
イランでは成人の3分の2が現金給付を受け取っており、燃料に対する補助金の効果を得ることが出来ていなかった地方部で生活水準が改善したという結果があります。
その他にもラテンアメリカやアフリカでも村などの小規模のコミュニティを対象とした実験が数多く行われています。
最後に、オランダの歴史学者であるルトガー・ブレグマンの著書「隷属なき道」から
「非現実的」というのはつまり、「現状を変えるつもりはない」という気持ちを手短に表現しただけなのだ。
思い出そう。かつて、奴隷制度の廃止、女性の選挙権、同性婚の容認を求めた人々が狂人と見なされたことを。
ベーシックインカムを理解するのにオススメな本を紹介しておきます。